トピックス

シックハウス問題

近年「シックハウス問題」が大きく取り上げられ、住宅だけではなく小学校、中学校及び幼稚園などの子どもが利用する施設からの報告もあり、社会問題として広がりをみせています。

シックハウス症候群とは

「室内空気汚染が原因で健康障害を起こしている」ことです。

【症状】
  1. 目・鼻・のどの刺激症状、粘膜の乾燥
  2. 皮膚の紅斑、かゆみ
  3. 疲れやすさ、頭痛、精神的疲労、集中力の低下、めまい、吐き気
  4. 嗅覚、味覚の異常
【室内空気汚染の原因】
  • 粒子状物質によるもの(ダニ・真菌・ハウスダスト・タバコの煙等)
  • 化学物質によるもの(ホルムアルデヒド・揮発性有機化合物等)
【室内空気汚染を発生させる要因
  • 住宅の高気密設計・自然換気不足・化学物質の多用

対策の流れ

1996年 「シックハウス問題」が国会で取り上げられる
厚生労働省は室内空気汚染の原因となる化学物質について、室内濃度指針値を設定(現在13種)、調査を開始する
2000年 国土交通省は「室内空気対策研究会」を発足させ、大規模な実態調査を行う。
また住宅の改修技術の開発等、各種の調査研究等の取り組みを継続的に実施する
民間においても健康影響の懸念される建材の使用自粛、自主管理等様々な取り組みを進める
【参考】ホルムアルデヒドが指針値を超えた割合
2000年 28.7%  2001年 13.3%  2002年 7.1%
*対策が進んでいることが伺える
2003年 国土交通省は建築基準法を次のように改正し、施行された
  • クロルピリホス(主にしろあり駆除剤に含まれる)の使用禁止
  • ホルムアルデヒド(主に合板などの製造に使われる接着剤、壁紙の防腐剤に含まれる)を発散する建材の制限
  • 換気設備設置の義務付け

今後の課題

医学分野

症状が多様で、症状発生の仕組みや治療法は未解明な部分が多く、また様々な複合要因が考えられます。また発症時期とその可能性は個人差により大きく異なることが原因究明の妨げになっています。医学的な分類や判断、診断の基準等が検証されなければなりません。

化学分野

現在ホルムアルデヒドとクロルピリホスだけが規制対象になっていますが、トルエンやキシレン等の揮発性有機化合物や他の化学物質にも対象範囲を広げた建材データベースの構築のための研究が急務となっています。

建設に関わる企業

建材自体、またそれに使用される塗料や接着剤等の成分分析データを捕捉した「建材データベース」の構築、建材の流通段階での品質管理システムのさらなる確立が必要になります。また情報の開示・発信に努め零細事業者まで周知徹底する必要があります。

「シックハウス問題」調査のため「シックハウスを考える会」理事長上原裕之氏の事務所を訪れました。

「シックハウスを考える会」は、健康な住宅を求める人たちがそれを手に入れるための手助けをしていく事が目的で、研究業務、情報発信等の活動をされています。また「シックハウスコンサルタント」の養成と普及に努めておられます。

上原理事長は危ない住宅に警鐘を鳴らし「国としてのプライオリティーを高めていただき、的確なルールづくり、さらなる法的整備を推進してほしい」という要望がありました。

以上のことをふまえ

 子どもたちや高齢者には、一般成人よりも環境汚染に対し一層の注意が必要であると考えられます。

 住居および学校や図書館など公共の建物の安心・安全を確保するため、早急かつ適切な対策を講じることが求められています。

 医学や化学、建築そして教育など幅広い分野の融合により、報告された事例や学術論文等による科学的情報、最新の調査研究等を集約させ、総合的に判断し対応する必要があります。

 以上から、国土交通省や厚生労働省、その他関係省庁においては枠にとらわれず、連携を密にしていただき、指針・基準・法令づくりに務めていただくよう希望するものであり、行政や政治力をもって認識を深め、解決に当たっていくことが望ましいのではないでしょうか。

 そして事前予防策と事後対策に万全を期すよう努めたいと思います。

2005年3月

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